人間・社会系部門 / 分散エネルギー資源活用工学

再生可能エネルギーの普及に向けて

 現在、地球温暖化回避が世界的なテーマとなり、いわゆる脱炭素社会構築の具体論をどうするのかに関心が集まっています。その中で、もちろん太陽光発電や風力発電は重要な役割を担うでしょう。再生可能エネルギーにもいろいろな種類がありますが、太陽光発電等は「自然変動電源(VRE,Variable Renewable Energy)」と言われるように、人間の言うことを聞いてくれるわけではなく、まさにお天気任せ、風任せの存在で、今までの火力発電などとは根本的に異なる電源です。

 今のところVREの出力変動は、主に火力発電の出力を逆パターンで変化させることによって吸収し周波数を維持していますが、それも限界に来ています。現に九州地方では太陽光発電設備が大変多くなり、その出力を抑制せざるを得ない事態が度々発生しています。今後、より一層VREを増やすには、単にこれらを増やすだけでなく、需要側、すなわち、電力を使う側の構造変化も併せて必要となるでしょう。社会経済活動はエネルギーの都合に合わせて行われているわけではありませんが、一部分は考え方を逆にしてエネルギーの都合に合わせてやる必要もありそうです。もちろん、社会経済活動に影響が無いように、低コストな仕組みの導入も必要です。今まさにパラダイムシフトが求められているのです。

 例えば留守宅でもVREの状態に合わせて、電気自動車(EV)の充電が行われるなどの新たな仕掛けが必要になりますし、VRE電力が多く発生している場所は必ずしも追加的な電力を必要としていない場合もありますから、このような需給調整の仕組みは、例えば関東一円くらいの規模で機能する必要がありそうです。幸いIoT (Internet of Things)という技術が発達してきており、これを上手く使えばVREをより多く導入できる電力システムが作れそうです。当研究室はこのような仕組みを想定しながら、それに必要な要素技術の開発研究とその社会実装方法について検討を進めます。