物質・環境系部門 / ナノテクノロジー

バイオインスパイアード有機合成化学-生体反応にならい,それを超える

有機合成化学の紹介

バイオインスパイアード有機合成化学

 バイオインスパイアード(bio-inspired)とは,生命活動にインスピレーションを得た,という意味です。生体内では,生命活動維持のために,種々の酵素を触媒とする有機化学反応が絶えず行なわれていて,それは,食物の消化であったり,必要な分子の合成であったり,体内に侵入した招かれざる分子の分解であったりします。生命活動の理解が進んだ現在,それら生体内反応のかなりの部分は,反応機構が解明されるまでになっています。一方で,上の紹介動画で述べたように,人類はこれまで有機合成化学を発展させ,数多くの有用な物質が作れるようになりました。

 そう聞くといかにも,生体内反応を人工的に再現することは,人類がやろうと思えばいつでもできる,という印象を持つかもしれません。ところがそうでもないのです。これほど化学研究が進んだ現在でも,酵素にしかできない反応というのがまだまだあるのです。そういった反応の仕組みをじっくり観察して,それに倣って合成をすることができれば,目的の化合物をよりスマートに作り出せるようになり,工業レベルではエネルギーの節約や廃棄物の減量につながります。そのような反応の開発を目指すのがバイオインスパイアード有機合成化学です。

 

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