坂本研究室-建築・都市の音環境
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音場予測
より良い音環境の創出や音環境の適切な評価のためには、様々な音場・音響現象を正確に予測・解析する技術が必要です。本研究室では、コンピューターを用いた音響数値解析、特に音場を正確にシミュレートできる波動音響数値解析に関して、手法の開発やその適用性向上のための研究を行っています。開発した技術をホールなどの室内音響予測,室内外音場シミュレーション,屋外騒音の予測手法の開発に応用しています。

関連研究
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3次元音場再現システムを用いた音場の評価
音響工学の心理学的アプローチにおいては、コンサートホールの響きから環境騒音まで、さまざまな現実の音を実験室内に再現し、それに対する人の反応を調べる方法が有効です。そのための手法の一つとして、3次元音場再現システムを音響実験室に構築し,種々の心理実験に適用しています。

関連研究
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道路交通騒音の予測と計測
身の回りの騒音は,私たちの生活の質(Quality of Life)に大きな影響を及ぼします。一般に環境騒音と呼ばれる騒音のうち,自動車を音源とする道路交通騒音は,私たちの生活に最も身近な騒音であり,その影響は広範囲にわたります。生産技術研究所の応用音響工学研究室(環境音響工学研究室)は長年にわたり道路交通騒音の予測法の開発に携わってきました。その研究成果の多くは,日本の標準的な道路交通騒音予測モデルASJ RTN-Model等に取り入れられています。

関連研究
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騒音の評価
居住環境には様々な騒音が侵入し,ときには問題になることがあります。環境アセスメントのためには,騒音の計測,再現,評価を行い,音に対する人間の心理反応を調べる必要があります。本研究室では,2017〜2019年度環境研究総合推進費を受けて「風力発電施設等の騒音に含まれる純音性成分による不快感の評価手法の研究」を実施しました。
音源データの生成:騒音の特徴の一部を抽出した人工音を作成します。本研究では主に環境騒音を模擬したノイズに純音性成分を付加した試験音を用いました。
試験音の再生・評価:本所・応用音響工学実験設備に所属の半無響室に複数の大口径スピーカから構成される低周波音再生設備を整備し,試験音を再現します。被験者実験により環境騒音に混入した純音の可聴性や,ラウドネス(大きさ),ノイジネス(わずらわしさ)に及ぼす影響を定量的に評価しました。
結果:物理ー心理反応の対応関係を定量化します。純音の卓越度を表す指標である純音性可聴度(Tonal Audibility)と純音周波数を物理指標として,純音性成分が騒音の印象に及ぼす効果を補正値のかたちで示しました。主要な研究成果は,環境研究総合推進費ホームページに公開されています。
その他研究トピック一覧
- 室内音響:オーディトリアムの音響設計,スピーチプライバシーの評価,学校音響
- 建築音響:建物ファサードの遮音性能向上
- 音響計測法:インパルス応答測定,遮音測定,反射・吸音(インピーダンス)測定
- 音場予測手法の開発:波動数値解析手法
- 音場シミュレーション手法の開発と主観評価実験:6チャンネル収音・再生システム
- 環境騒音:道路交通騒音,鉄道騒音,風車騒音,設備騒音