複合原子層ファンデルワールス接合の作製と量子輸送現象
町田研究室では、グラフェンをはじめとした二次元層状物質をファンデルワールス力により接合した複合原子層構造による新規物性の発現と新機能素子の実現を目指しています。
二次元層状物質とは、1原子~数原子程度の原子レベルの薄さをもつ材料のことです。もっとも代表的な二次元層状物質は炭素の単原子層であるグラフェンです。グラフェンは炭素原子が六角格子状に連なった平面構造をとっており、機械的強度や熱伝導度といった各種の物理特性が非常に優れていることからスーパーマテリアルと呼ばれています。グラフェン単体でも非常に興味深い物性を示しますが、町田研究室ではこのグラフェンをさらに他の二次元層状物質を組み合わせて積層し複合原子層構造を作製して評価をおこなっています。複合原子層構造においては、原子層同士はファンデルワールス力と呼ばれる分子間力によって結合しています。このため、二次元層状物質を積層した構造は「ファンデルワールスヘテロ接合」と呼ばれています。従来のGaAsのような二次元半導体においてはヘテロ界面における格子整合が必要であるため積み重ねられる材料の組み合わせには制約がありましたが、ファンデルワールスヘテロ接合においては界面の格子整合が不要であるという大きな特徴があり、あらゆる二次元材料を任意の順番で組み合わせることが可能です。さらには積層界面の回転角度θというこの系特有の自由度が生まれ、θを制御することによって積層構造の物性が大きく変容することがわかっています。すなわちファンデルワールスヘテロ接合は積層材料、積層数、積層角度といった多数の自由度をもつ系であり、作製し得る構造の種類はまさに無限大とも言うことができます。町田研究室ではグラフェンをはじめ絶縁体であるh-BN、MoS2やWS2といった遷移金属ダイカルコゲナイドを組み合わせてファンデルワールスヘテロ接合を作製し、多様な新規物性の発現を目指して研究を行っています。
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