
持続可能な社会における材料の生産・使用・リサイクルを考える
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(3) すべての人に健康と福祉を
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(7) エネルギーをみんなに そしてクリーンに
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(8) 働きがいも経済成長も
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(9) 産業と技術革新の基盤をつくろう
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(11) 住み続けられるまちづくりを
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(12) つくる責任 つかう責任
生産
生産には多くのエネルギーが消費され、現行プロセスでは温室効果ガスが多く発生しています。また、天然資源から生産する際には、採掘に伴って環境や社会への負荷がかかっています。それらプロセスでの負荷の評価や、その負荷削減のための革新技術の効果量の評価をおこなっています。
さらに、二次資源から生産した際には、意図しない元素が混入することがあります。リサイクル材の中の不純物濃度のモニタリングならびに、各不純物による機能への影響を明らかにし、循環社会における機能劣化しない材料生産システムを目指しています。
使用
動的物質フロー分析により、材料の需要量は1人あたり使用量(in-use stock per capita)の蓄積が支配していることを明らかにしてきました。その使用量が飽和することが明らかになったことより将来需要量の推計モデル(stock-driven model)を開発しました。
自動車では軽量化材料の採用による燃費向上が望まれています。その一方、材料生産のエネルギー消費が大きいと燃費向上の効果との比較が必要です。ライフサイクルを通した材料選択の評価手法を開発しています。その評価指標として、環境影響だけでなく社会影響の評価指標を開発しています。
リサイクル
二次資源には、多くの意図しない異物が混入してしまいます。そこで、深層学習に基づいた画像解析技術を開発し、異物検出によって異物混入の少ない二次資源流通技術ならびにシステムを開発しています。
また、そのための基礎的な知見として、異物の混入源の特定は欠かせません。現行リサイクルにおける異物混入の実態を、フィールド調査に基づいたパラメータを物質フロー分析モデルで解析することにより明らかにしています。
ライフサイクル全体
使用済み製品から二次資源が回収されリサイクルされる材料のライフサイクルは、複数の製品のライフサイクルにまたがっています。一般的な製品ライフサイクルを対象としてライフサイクルアセスメント(life cycle assessment: LCA)を拡張した材料のためのLCA手法を開発しています。
金属材料はリサイクル性が高いのが特徴ですが、そのリサイクル回数の実測は困難です。そこで、リサイクル回数の推計のためにマルコフ連鎖モデルに基づいた数理モデルを開発しています。


醍醐 市朗 / 醍醐研究室